常識がまだまだ主流

日帰りの旅行に行ったりしただけの、試しの段階にさえ入っていない程度のつきあいだった。たったその程度で、逃げるだの残酷だのといわれたら、身動きさえとれなくなってしまう。すさまじい言葉で呼ばれ、社会人 出会いがない で何度かつきあって女の方が断わると仲人から顔がつぶれたなどと、私からすればヤグザの発想としか思えないような非難を受けるといった話を聞くにつけ、選択権は男にのみあるとの常識がまだまだ主流なのだと知らされる。それは、嫁にやる、もらってもらうなどという女を品物扱いにした言葉が疑いもなく使われているところにもはっきり示されている。しかし、女は男に動かされる人形ではないのだから、たとえ残酷とそしられようと、生意気と中傷されようと、大切な事柄は自分で決めて生きてゆかなくては、自分らしい人生ば生きられない。

結婚は女の幸せ

そう考える人が増えることでしか、男本位の常識を変えることは不可能なのだ。「結婚は女の幸せ」と考えてしまうのはなぜか?三人の若い女性の憤り。「ほんとに腹が立つったらありゃあしない。母親が何かというと結婚しろ、結婚しろって特にこの頃うるさいの。親戚なんかから届く見合い話があると、もう大喜びで、この間もこの方ステキじゃない、大学出身で銀行にお勤めで、お父様は商社の部長さんなのよ、背も高いし、会ってご覧なさいよとかいってさ。そんなに会ってみたいのなら自分で会ってみりゃあいいじゃない、私はご免だわ。血統書付きの犬の子を作るための貸し借りじゃああるまいし、学校だとか職場だとかで人間を判断しようとするその考えがそもそもよくないってことが、いくらいってもわからないの。まったく情けなくなっちゃう」「ウチの親戚だってすごいわよ。仕事、仕事って夢中になっているうちに、売れ残っちゃうぞ。女はナマイキにならないうちに、結婚するのが一番なんだ。早く結婚して親を安心させてあげなさい、それが何よりの親孝行なんてすさまじいことをいう人もいるのよ。冗談じゃあないわよ。

会社の男たちだってひどい

親のために結婚なんて、とんでもないわ」「親や親戚ばっかりじゃなくて、会社の男たちだってひどいじゃない。早く結婚しろ、結婚しろってね。まるで結婚しないと人間の価値がないみたいにいうんだから。あんまりシャクにさわるから、私の人生は私の人生、大きなお世話、放っといて下さいっていってやったの。そうしたら何といったと思う。ウーマンリブなんかにかぶれるなよ。ますます男が寄りつかなくなるからな。